ヨーロッパより、日本を考える

24歳 スペイン、バルセロナにてワーキングホリデー中。外国にいる事で感じる日本との違いから、日本のあるべき姿をこのブログで考えていきます。

ニューヨーク、パリ、プラハを旅してわかった旅の意義

早くもスペインにワーホリに来て4ヶ月が経とうとしていますが、前回書いた通り僕はスペインワーホリの恩恵を利用してこれまでニューヨーク、パリ、プラハに旅をしました。

今回書くのは旅行記のように誰かの参考になるようなものではなく、自分自身への記録のようなものですが、少し旅というものがどういう存在なのか、考えるきっかけになれば嬉しいです。

 

これまで旅をしていく中で、自分が旅をしていく上で求めているものがはっきりしてきました。あなたにとっては旅ってどういうものですか?

海や山など自然を求めてリラックスしに行ったり、美味しい食べ物を求めて美食の街に行ったり、歴史が好きな人は遺跡を見て想いを馳せに行ったり、誰もがそれぞれ目的があって旅をしていると思います。

 

僕にとって、旅をする上で大切にしていることは、

必ず現地の人の生活を垣間見る

ということでした。

 

それを感じるために旅先では以下のようなことを意識しています。

 

Third Placeを見つける

どんな都市にも、観光の中心部とそうでないエリアがあります。

例えばニューヨークで言えばManhattanとBrooklyn、バルセロナで言えばカタルーニャ広場中心とGracia地区はわかりやすいです。パリだと1区や2区に対してマレ地区や5区やプラハだと旧市街とその周辺など。

この観光の中心から外れるエリアというのは目立った観光スポットを有せず、主に住宅地が広がっていたりするエリアで場所によっては治安が悪く人が寄り付かないエリアです。

僕の住んでいた鎌倉で言えば由比ヶ浜鎌倉駅周辺に対して材木座といったところでしょうか。

ガイドブックには載らないか、もしくは脇役になるエリアですね。

 

そんな場所に行くと、よく雰囲気の良いカフェに出くわします。

入ってみるとなんとも居心地がよく、ずっと長居していたくなるようにリラックスできます。そこでは決して観光客は多くなく、少なからず地元の人達がいるわけです。パソコンで仕事をしている人やママさん同士でおしゃべりしていたり、犬の散歩途中に休憩しに来ている人がいたり。

 

僕は各地域のこういう場所を見るのが好きです。どこかで"Third Place"という言葉を聞きましたが、こういった場所に共通するのは単なるカフェという飲食店ではなく、地域の人にとっての家と仕事場以外の第三の居場所であるということです。

 

そこに行けば必ず地域の人達がいるので、僕はあえて観光の中心地ではなくそういった場所にあえて行くようにしています。

 

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Brooklynにあるカフェ"Devoción"

 

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僕の"Third Place", Barcelonaの"The Corner Hotel"

庶民のレストランと新しい流行のレストラン

旅に出れば、僕の楽しみの一つは現地の食事です。

レストラン選びにフラフラしていた僕ですが、よく探していたのは庶民の人がよく食べに行くその街の典型的なレストラン。

 

もちろん、その国の典型的な食事や名物を味わいに行きたいわけですが、自分なりに意外と深い理由があって、ちょっと考えて欲しいことがあります。

 

例えばですが、

寿司=日本の文化ですか?

 

僕の答えはノーです。

というのは、寿司そのものが日本の文化なのではなく、その国民性を具現化したものが寿司という形に表れているだけであり、日本の文化であるのはその国民性だと思っています。

なんだか哲学ちっくでわかりづらいですね…

つまり、日本は島国で新鮮な魚介がたくさん獲れます。そしてその獲れた魚を日本人の質素さ、繊細さや清潔さにより「余計なものは使わず、魚の旨味を最大限に引き出し、新鮮なうちに食す」ということで寿司というものになるわけです。

ところが僕のいるスペインも海に囲まれ新鮮な魚はたくさん獲れます。ですがこの陽気で情熱的で大らかな日本人とは対称的な国民性が「見た目は鮮やかに、味は濃いめに、皆んなで楽しく食べよう」ということで同じ魚と米がパエリアになるわけです。

 

ということで、寿司自体の本質は日本人なんです。

 

つまり僕にとって食というのはその土地の国民性を表すものであり、そういう意味で観光客目当てではなく、なるべく現地の人が食す食事を食べに行きたいのです。

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パリ、北マレ地区のこのレストランは殆ど地元民で溢れていた

 

そしてもう一つ、その土地で流行っている新しいレストランというのも気になります。

例えばニューヨーカーに寿司が流行っているとかタパスが流行っているとか、パリで日本人が営むフランス料理店が流行っているだとか、どれもその時々の人々の風潮を表していると思います。

 

パリでは日本の美術展などが開催されており、パリの人々で溢れる美術館で僕は日本の芸術性がフランス人にこんなに受け入れられているのかと驚いたのですが、そのパリで「美味しいレストランを探しているなら日本人シェフの店に行け」と最近言われていることを聞き、まさに食が当時の人々の風潮と繋がりあっていると感じました。美術であっても料理であっても、日本人が作るという共通性がありますね。そこが評価されているんだと思います。

実際に通った日本人経営、全員日本人シェフのお店はランチに並んでいて入れませんでした。

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ニューヨーカーで溢れるタパスレストラン"GATO"

 

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パリの朝食がコンセプトのお店"CLAUS" あまり朝食を食べないフランス人に受け入れられるにはまだかかるか。

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フランス人オーナーの日本式マッサージ店"SUISEN"。施術は日本人スタッフが行う。フラフラしてたら発見。

 

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プラハのレストラン"ESKA" チェコの田舎料理をモダンにアレンジ。チェコ定番の肉々しい料理が素材そのまま繊細でモダンな味に

 

 

 

 以前、NEWSPICKSの記事でSTARBUCKSやRonhermanなどを日本に持ち込んだサザビーリーグ創業者の鈴木陸三さんの記事を読みました。

 

今でこそ日本では周知の存在であるSTARBUCKSやRonherman,アニエスベー、SHAKE SHACKですが日本では知られていない状態でそれらを日本に持ち込み、ヒットさせるには類まれなる先見力が必要です。

 

20代の殆どをヨーロッパで過ごした鈴木陸三さんは、日本に帰国してからサザビーリーグ創業後も、定期的に旅を続けており、世界の大都市の流れをそこで察知するそうです。 自身の言葉で「グローバルビッグシティウォッチング」と定義しています。

 

旅が自分にとってどういう存在なのか考える上で非常に参考になりました。

僕も今後是非目的意識をはっきり持って旅を続けていきたいと思います。

 

newspicks.com

 

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こんな風景も好きです。ニューヨーカー御用達の靴磨き店"eDDie's shoeshine& repair"